季節の便り
もうすぐ染が始まる春です。
冬になる前、畑のとうがらしの枝に地面から10cmぐらいのところにカマキリの卵を見つけた。みんなと「今年は雪が少ないかもネ」と話していた。この卵を産む場所がその冬の雪の量を当てている。大雪の年は下から50cmのところに卵を産んでいた。今年も、雪が少なく大当たり、自然ってすごいネ。
仕事が忙しく、なかなかこの冬は家にいることが少なかった。一段落したので、前から行きたかった山形県の山寺に行ってきた。私が稽古していただいている整体の先生も「山寺はすごいものを感じる」とおしゃっていたのもあって。
「やァーすごい!」駅に降り立つと山の上の岩壁に古い建物がいくつか並んでいる。800段もの階段があるという。急な雪道を登っていった。何千年もそこにあるような岩壁、あまりの力強さを感じて、たたずんでいた。そういえば芭蕉もここを訪ね、有名な句を詠んでいる。
「しずけさや 岩にしみいる せみのこえ」 この岩はもしかしたら、目の前の大きな岩か?となるとさぞかしセミの声もすごい声だったのだろう。ひさしぶりに体がゾクゾクする風景だった。
インドでも、僧が瞑想したという大きな岩を見たが、山寺も修行の寺なので、何か似ている空気を感じた。
もうすぐ染がはじまる春、薪ストーブの火を観てゆっくりする冬が終わりに近づいている。
(2009年2月更新)
今日は朝寒くて、目が覚めた。土蔵で豆炭アンカを布団に入れて寝てるのだが、その豆炭の火が消えたらしく、なんという寒さ。きっとマイナス12度ぐらいか、あいにく今日は連れ合いがいない!10年前はなんなく自分でやれたのに仕事にかまけて、ひ弱になった私。
勢いよく起き、母屋のストーブをたいて、お風呂に入ることにした。体はガタガタ震えている。地面はカリカリ、滑らないように歩いてお風呂をつけようとしたら、なんと灯油が切れている。灯油をさがして、一回分沸くだけ入れて、沸かした。体が冷えているので、一時間以上入って、夜が明けて鳥が鳴きだした。我が家のお風呂は窓もなく露天風呂状態なので、雪景色を眺めて入って、起きた時の寒さは消えて暖かくになっていた。なんと良いところに暮らしているのか。感謝。
今年はとても忙しい年でした。不況といわれる中、それにもめげず野良ががんばれたのはお客様、スタッフの力、、、。インドの織り手のシングさんとも10年来のお付き合い、やっと息があってきて、私が作りたいものがすぐに伝わるようになった。サンプルも作ってオーダーすればいいのですが、その時間もなく、工房の織り機2台は縦糸がかかったまま、かわいそうな状態にいます。横糸の「変化」がポイントなのですが、やっと少しずつ解決してきて、今年8月には工房で染めた布をもって、またインドの現地で一緒に織っていこうと考えています。私が一人で織る力はほんの少し。皆で力を合わせれば、すばらしい布が作れると信じています。今年は米は立派(?)にできたが、畑は残念だった。種を蒔いても芽がでなくて、悲しい、淋しい思いをしました。来年はどのようにこれを解決したらよいか、現在考え中。
常に前に進むこと。
自分自身が考えて、決めること。世の中のものすべてプラスと捉えてやるとすこし楽になります。ゆるぎないインドの力を感じると私ももっと静かなる力を出さねば、、、と思います。
来年もよろしく!
(2008年12月更新)
もうすぐ冬ですよ、、、、
先日は朝から北風らしきものも吹いて落ち葉が舞った。まるで「もうすぐ冬ですよ!」と教えてくれるような風だった。
今年はなんと白馬八方池まで登って、紅葉を見に行ったのだ!
実は昔、八方池へ行くのが夢だった。尾根伝いに歩き続けると、アルプスを写し出す、すばらしい池があると聞いて、いつか行きたいと思った。白馬岳に登ったり、栂池にスキーに行ったりもしたが、山の中をただ歩き続けるのが好きだった。
とこらが、、、、、それからウン十年。私の夢は大きく大きく膨らんで、池が頭の中で十倍くらいの大きさになっていた。池に着いてビックリ!こんなに小さい池、しかも大勢の人。登山道もすごく整備されていて、今の私には登りやすくよかったのだけれど、全くイメージとは違い、時の流れを感じた。ふもとの紅葉はすばらしかった。池に着いてから霧がでてきて、近くのアルプスの山は少ししか見れなかったが、皆で登った山は楽しかった。
案内をしてくれたスタッフのマリさんがいたおかげでなんなく行けたのでよかった。また、どこかへ登り(歩き)たくなった。
(2008年10月更新)
秋です。
お元気でしょうか!
あっという間に、秋になった気がしています。
私は自分の暮らしに使うためにいつも気持ちのよい器、布などの道具をさがすのが好きでした。でも、この10年ぐらい前から、あまりトキメクものが、なくなってしまいました。とくにアジアにいくと素材を生かして面白いものがあり、ドキドキしていましたが、今はほとんどありません。人はそれを「歳のせい?」といいますが、、、。
ところが、いまだにもしかしたら一生すばらしいものがあるのです。それは「自然」です。山の中に暮らしていると一瞬にすばらしい景色、そして色があります。秋は空が変化して、美しいです。今日の空は 西日あかりで雲がそうのようにグレー茶、青など映し出していて山まゆのシルク布のようでした。すすきの赤い穂、ビロードのような苔、木と木の間にでる虹、雲の上から照らし出される月の輝き、、、そんなとき自分の存在がなくなり、自然の一部になれる気がして、気持ちよいのです。
今年の夏は日本海に行きました。久しぶりに海に思い出しました。私はこの日本海の海の色をテーマに織りをやろうと思って始めました。ところが、今は他にもたくさんやりたいことができてしまって(?)織りから離れてしまいましたが、、、。
グレー、茶、エメラルドグリーン、陽が沈む時のオレンジの輝き、、、自然からたくさんの色を頂いて、面白いものを自分が作り出さなくては、、、と思いました。
(でもこれって、とっても大変なことなのですが、、、。)
(2008年9月更新)