季節の便り
今朝はふくろうの声で眼がさめた。久しぶりの長野の我が家でゆっくり仕事をした。
私の暮らしている山は今は新緑、そしてリンゴの花、菜の花、桃の花がいっせいに咲いて、とても美しい季節です。今日、山菜を買ってきました。なかなか山に入ってとりにいく時間はないが、村の中でたくさん売ってるのでうれしい。
家のそばのミョウガ畑の草取りをしようとしたら、まだミョウガが出ていなくて、ふきが「たべごろ」でいっぱいあった。私の「たべごろ」というのは皮をむかなくて、そのまま煮ても柔らかくできる太さなのです。きゃらぶきにしたら、春の味でした。
毎年、毎年同じサイクルで季節がめぐってきて、冬が終わり、春になる。このあたり前さがとてもうれしいのです。「糸染め職人」のスタッフが糸を染めてくれている。げんのしょうこ、すおう、丁字、まるでこの山の色と同じだ。春らんまん!
(2012年5月更新)
今年は屋根の雪下ろしは一回もせずにすんだのですが、その分恐ろしく寒かった。ここ長野で暮らし始めて18年になりますが、最も寒かった年だと思います。
昨年同様、水道が凍って出なくなり、しばらくは、染めようの大きな鍋を持ち出し、くみ水で炊事をやっていた。やってる時は特に不便とも思わなかった。「キャンプ生活、こうやってもできる」なんて。3月になってすこし、暖かくなって、蛇口をひねったら、「水がでた!」やったーうれしかった。水が出ることのありがたさを感じた。今も、蛇口をひねるたびに感じる。いつも、水、空気にお祈りして、感謝しているインド人の姿が思い出された。
冬の間も寒い中、ボタン作りを手伝ってくれている隣村のおばあちゃん夫婦。ボタンを削るのに、木を柔らかくするために材料を煮ている。もちろん、薪だ。その道具も手作りのものだ。
田舎の人は昔から自給自足の暮らしをしていたからか、色々な知恵がある。
いかに効率よく仕事するか、体の負担を少なくするかという知恵を身につけている。
もの作りをする人間にとってはとても勉強になり、つくづくなるべく便利な暮らしをしないほうが、生み出すことができるのだということを学んだ。
(2012年3月更新)
今年は雪が少ない分、凍るような寒さです。ニット用の糸が足りなくなって、厳寒の中、糸染めをしました。18年間染めをやって冬に染めたのは、はじめて!
まず水道がなかなか出なくて、お湯をかけたりしてやっとだす。(不凍栓はあるのですが)ところが水も冷たいのでなかなか媒染液も平均に浸透してくれない。二日間、液から糸をだしたとたんに、糸がバリバリ凍ってく、、、。私の着てるセーターは零下のため鍋にくっ付いてしまう。やはり、長野で冬の染めは無理でした。 なんとその日は最低気温がマイナス15度だったのです。
そんな中で、少しの休みの間に暖かーい沖縄に行きました。芭蕉の村と琉球藍を見てきました。芭蕉布は以前から大好きな布です。平先生がまだ指導して芭蕉の栽培、刈り取り、糸作り、機織りをする人達も増えていることに感動しました。その日は芭蕉の刈り取りを見てきました。その村の建物がすばらしくて、シーサーのある石かわらの屋根も素敵! 琉球藍も、私がたてているやり方とは違うのでとても勉強になりました。
エメラルドグリーンの海 気持ちよかった。
(2012年1月更新)
今年もありがとうございます。
お店もはじめて、忙しい年でした。
お店は来年の3月15日までお休みなので、今日は、今年最後の日。私がお借りしている家から、朝景色を見たら、なんと富士山の美しい姿が、朝やけのオレンジの中にくっきり! ビックリ!
このあたりはカラ松林に囲まれているので、木が茂ってる間は見えなかったので、
葉が落ちて、見えたのだった。大きな木々が揺れているのも美しかった。
さて、今日は藍染めとすおうのウールを染めなければいけない。藍染めはこの前、忙しい時にかた手間に染めたら、しっぺ返しがきてシミになってしまった。もっと、心をいれなければいけないことを痛感。今年はウールのすおう染めが人気だったので、間に合わない!最後まで『すおう』で染めている。閑散としたまわりの風景をみながら、藍染めを朝早くはじめた。ニット教室最後の日でにぎやかに編み物を楽しんでいた。私も編みかけのベストで参加。今まで適当に編んでいたがきちんと習うと美しくできることを知った。
たくさんの人でこの素晴らしい空間が生かされ、たのしく一年間過ごせたことに感謝!
来年もよろしくお願いします。
(2011年12月更新)